GFPはもはや日常語 その4

システム糖鎖生物学研究グループ

細胞膜の脂質には、様々な糖鎖が結合している。A型インフルエンザウイルスが細胞内に侵入する際には、ヘマグルチニンが糖蛋白質N-アセチルノイラミン酸残基に吸着。ここまで入ると、後はエンドサイトーシスで自動的に細胞内に取り込まれてしまう。ただし、ウイルスが細胞内で増殖しても、そのままでは細胞の外に出られない。

ノイラミニダーゼという酵素が、細胞表面の糖鎖をシアル酸*1残基の所で切断する事で、増殖したウイルスが細胞の外へに出て行ける様になる。タミフルリレンザの様なノイラミニダーゼ阻害薬を投与すると、ウイルスが増殖しても細胞の外に出られなくなる。

岩崎先端中間子研究室

ミュー粒子を使った研究。μSR法を使って、物質の内部磁場を測定する事が出来る。μ+を物質に注入すると、μ+のスピンは内部磁場の方向を向く。μ+は2.2マイクロ秒くらいで崩壊し、スピンの向きに陽電子(e+)を放出するので、これを測定する事で内部磁場の方向が分かる。

他に、μ-を使った核融合の話。μ-重水素(d)と三重水素(t)混合系の中に打ち込む。μ-の質量は電子の200倍以上あるので、通常の水素原子より1/200の大きさのtμ原子が出来る。tμがD2分子と衝突するとd-t核融合反応が起こる。反応後、μ-は放出されてまた次の反応に再利用され、1個のμ-で120回の核融合を起こす事が出来た。

画像:Pikachu drawn by ion beam upon the surface of a hair, Riken, Wako, Saitama, Japan / Apr. 18 2009

*1:ここではN-アセチルノイラミン酸