晴れのち曇り、時々迷子 その2

高岡

富山で特急に乗り換えて高岡。鈍行と数分しか違わない割に特急料金が高い。

ようこそ 大仏と銅器の町 高岡へ

躍進高岡日本一 アルミの産地

レンタサイクル100円。高岡の地名は、詩経の「鳳凰鳴矣于彼高岡」*1という一節から採られている。前田利長は納得した様だが、せっかく高岡という地名なのに鳳凰がいないのは、高岡市民的に納得がいかなかったらしい。鳳凰橋には鳳凰の像が2体。鋳物パワーと銅器パワーとアルミパワーを結集して、「高岡なのに鳳凰がいない」黒歴史を封印しました。

金屋町。南部鋳造所跡は駐車場になっていて、キューポラと煙突だけが現存。石畳通りには、さまのこ(千本格子)の家屋が並ぶ。日常生活を送っている町並みを観光するのはちょっと気恥ずかしい。大寺幸八郎商店銅像「体操坊や」、横曲げの運動。南東に戻って山町筋へ。土蔵造りの家屋。川越に比べるとまばらだが、観光客が少なくて平和だ。住人すらまばらで、人がいなくてちょっと寂しい。

高岡大仏へ。与謝野晶子によると「鎌倉大仏よりイケメン」。あご鬚が、松山タルトみたいにくるくる巻きなのが謎だ。円輪光背には阿弥陀如来種子字、キリーク。大仏の背後に回ってみると、光背はしっかりボルトで止めてある。大仏の裏の路地には「大仏飲食店街」。とても狭い路地にスナックが並んでいて、場末感が漂う。

駅の南側に出て、鐘紡町の手前にある瑞龍寺へ。看板「瑞龍寺伽藍復元図」を見ると、建物の配置が体の各部位に対応している事が分かる。山門が肛門、仏殿がお腹、法堂が胸、大庫裏が左手、といった具合。山門から入る意欲が微妙に減退したが、菊の門から中に入る。仏殿の屋根には鉛製の瓦。中には釈迦如来普賢菩薩文殊菩薩。この深紅の塗料は辰砂なのかな。

法堂脇の般若の間には烏瑟沙摩明王*2。本来は七間浄頭*3東司、トイレ)に置かれていたものだが、東司は火災で焼失してまだ再建されていない為、ここに安置されている。烏瑟沙摩明王は、不浄を炎で浄化するのでトイレの守護神。伽藍の配置上では、東司は右足に対応している。

参道のお土産屋に、ホタルイカをデザインしたネクタイ。16時くらいに高岡駅に戻る。

画像: Firefly Squid Space Invaders Necktie, Takaoka, Toyama, Japan / May 04 2008

その1 2 写真

*1:詩経 大雅/生民之什/卷阿(第252巻)

*2:うすさまみょうおう、烏枢沙摩、烏芻沙摩、烏蒭瑟摩、烏芻澁摩、烏枢瑟摩、ucchusma、うずさま

*3:七間浄頭(しちけんじんずう)= 西浄 = 東司