ジャカランダの育て方 その3

理研・和光研究所一般公開の更につづき。

生物言語研究チーム

以前千葉大にいた岡ノ谷一夫先生の研究室。ジュウシマツの囀り(さえずり)の研究*1で有名だが、最近ではハダカデバネズミ*2、ザトウクジラ、デグー等の音声コミュニケーションも研究している。2匹のハダカデバネズミが巣穴の中ですれ違う時、お互いの鳴き声でどちらの体が大きいか判断する。大きな方が上、小さな方が下になってすれ違う。

  • ジュウシマツ
    親の鳴き方を後天的に学習し、段々複雑な構造の歌を歌う様になる。
  • コオロギやハダカデバネズミ
    先天的に出せる音だけを使い、単語のみのコミュニケーション。

石橋極微デバイス研究室

単電子トランジスタ(SET)は、半導体プロセスで作っても液体ヘリウム以下の極低温でしか動作しないが、クーロン島(Coulomb Island)をカーボンナノチューブで作った場合、室温での動作も報告されている。作成方法が紹介してあった。

シリコン基板上に電極のパッドだけ作っておいて、スピンコーティングで基板上にカーボンナノチューブをばらまく。当然ナノチューブは色んな方向を向いているので、ナノチューブ一本一本に対しいちいち電極パッドから電極を伸ばして行って無理矢理トランジスタにする。この作り方だと量産には向かないが、電界をかけてナノチューブを一定方向に向かせるなど自己組織化を使ったアイディアも。

脳信号処理研究チーム

脳波を使ってディスプレイ上のオブジェクトを動かすデモ。オブジェクトの上下左右にある四角型のパターンがそれぞれ別の周期で明滅している。被験者がオブジェクトを「左に動かしたい」と思って左側のパターンを注視すると、パターンの明滅の周波数と同じ周波数の脳波が頭から出てくる。脳波の周期を測定すると、被験者がどっちに動かしたいのか分かる。昔、ポケモンショックって話題になったが、あの時は光の明滅が脳波のβ波領域とα波以下の領域を繰り返したのが問題だった。