ジャカランダの育て方 その4

理研・和光研究所一般公開の更なるつづき。

植物獲得免疫研究ユニット

植物は脊椎動物と違って、抗体を色々作ってくれるB細胞(Bリンパ球)が無い。植物が病気に感染した時は、「感染部位は枯れてもいいので、他の部位にひろがるのだけは阻止する」という戦略で身を守る。

  • 感染した部位では、毒素を出すなど局所的な防御を行う。
  • 同時に、糖で出来た免疫活性化剤を出して、体全体にシグナルを送る。
  • シグナルを受け取った部位は植物ホルモンの働きで免疫状態になる。

免疫活性化剤を植物に与える事で、他の生物に無害な農薬が出来る可能性がある。

作物保護研究ユニット

ここでの研究が元になって、カリグリーンという農薬が実用化されている。これに関連してカリグリーン・クイズ。クイズに答えて全問正解だった。ちなみにクイズの問題は去年と同じ。全問正解者には、いま研究所で育てている「ジャカランダ」の鉢。シダみたいな葉っぱだが、何だこれは。どうやって育てるのか。

  • 原産地:アルゼンチン、ボリビア
  • 別名:キリモドキ、ハワイ桜
  • 高さ15mになる木で、紫色のきれいな花が咲く

じゅ、15m?!

トマト等に付くタバココナジラミは、アセチル化グリセライドに触れると飛んで逃げて行く性質がある。病害虫を「殺す農薬」から、「追い払う農薬」を目指す。更に病害虫を「捕まえる」という方向も模索していて、ここでジャカランダが出てくるのだが、ジャカランダはネバネバの液体を分泌してタバココナジラミを捕まえる事が出来る。でも食虫植物、という訳では無いみたい。

画像:Jacaranda that captures Bemisia tabaci Gennadius*1

*1:Sweetpotato whitefly