奇跡のリンゴ - 自然の摂理から学ぶ農と教育 前編

木村秋則*1氏の講演会があるので、池袋、立教大学へ。

2009年度連続公開シンポジウム《未来の声を聴こう》
コミュニティ福祉学部主催「奇跡のリンゴ - 自然の摂理から学ぶ農と教育

この日の講義録 [1][2]、テープ起こし [1][2][3][4][5][6]

13:00過ぎに到着したら、開場したばかりなのに会場はほぼ満杯。スタッフは会場以外にも、ビデオ中継の教室を2つ用意して万全の態勢で臨んだものの、一般客が1,000人以上殺到して結局収容しきれなかった。一般客、容赦無すぎ。スタッフはこんだけ頑張ったら充分だろう。

ドイツの話

よその畑に行くとすぐ穴を掘って、土の状態を見たり温度チェックしたりするので、みんなから「穴掘りマン」と呼ばれている。一度ドイツに行って、ジャガイモ畑にを視察した。そこの畑では非常に小さい芋しか取れない。そこのドイツ人が「80年間無農薬栽培を続けているが、自然状態で育てると芋は小さくなるんだ」というから「それは違う」と言った。「だったらこの畑で自分で植えてみろ」。コール天のズボンを履いてたのに。

穴を掘って温度を測定してみると、地表から10cm下で8度下がっていた。この地表から10cmの所にジャガイモを植えた。手で植えたので腰が痛くて痛くて。でもその結果、自分が植えたジャガイモは大きく実った。ここでは普段、トラクターを使って地面から10cm-20cm位の所に植えているので、芋は温度の低い所で育ち生育が悪い。この畑も地中の温度が急激に下がっている。理想的な土は山の土で、地表から50cm下でも1度しか違わない。

硬盤

一般農法では、地表から20cm-50cmの所に硬盤層(hardpan, ouklip)が出来てしまう。作物の根がこれを突き抜けて、地中深くに根を張る様になると、もう肥料は要らない。硬盤層を壊す為に、作物と一緒に小麦を植えたりするが、そもそも自然農法では硬盤層は発生しない。そもそも窒素肥料を土に撒いても、窒素分は大気中に逃げたり水に溶けて流出したりしてしまい、植物の根に届くのはせいぜい10%くらい。化学肥料は余り意味がない。

その他

  • 木村さんの体重は40kg足らず。(え゛?)
  • 去年の11月に韓国に行った。日本より韓国の方が遥かに意識が高い。
    ある市長さん*2曰く、「農業は第1次産業ではなく、命を繋ぐ第4次産業」。
  • ダニを食べるダニ、カブリダニは朝9時半出勤、夕方15時半退勤。
  • 濃い青緑色をした野菜は、農薬を使っている。
    自然栽培で育てると淡い色になる。

画像:木村秋則

*1:id:plank:20080818 参照

*2:聞慶市(문경)の申鉉國(신현국)市長?