奇跡のリンゴ - 自然の摂理から学ぶ農と教育 後編

ファーブルの功罪

テントウムシはアブラムシを駆除してくれる益虫、と言われている。

これはファーブル昆虫記の悪影響。テントウムシを観察してみると、実際には1日に5〜6匹しか食べない。アブラムシ側も、テントウムシが近づいてきても全く逃げる素振りを見せない。本当にアブラムシをたくさん食べているのは、 1〜2mm程度のウジ虫。こいつはアブラムシを手当たり次第、いなくなるまで食べ尽くす。ハエの仲間*1

農薬を撒いている畑に生えたタンポポの葉の裏側には、アブラムシがびっしり付いている。自然栽培の畑に生えたタンポポは大きく、アブラムシが全くいない。アブラムシが発生する事自体おかしい。生態系に問題がある証拠。

いちばんひどい悪口

りんごの無農薬栽培がうまく行っていなかった頃、世間の風当たりは厳しく、いろんな人から随分悪口を言われた。津軽で一番ひどい蔑称は何でしょう? バカ、アホ、ロクデナシ。もっとひどい呼び方があります。ドンパチ。ドンパチは「忘八」がなまったもの。忘八は、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八徳*2」や「仏教の八正道」の実践を怠った者という意味らしい。

入れ歯

木村さんは、歯が無いのに入れ歯を入れていない。「歯を入れる時間も惜しくて」と周りに話しているけど、本当は一度歯医者に行った。すぐ口を閉じてしまうので歯医者さんが頭をポンと叩くと、叩かれたはずみで指を噛んでしまった。たった1本しか残っていない歯で、歯医者さんの指を何度も噛んでしまい、「もう来なくていい」と怒られた。

トマトの栽培法

トマトは、横に倒して這う様に生長させると、異常に成長する。今ではトマトは10m間隔で植えている。

聞いていて気になった点

死亡者数の統計を見て、「1960年に比べ癌死因が異常に増えている」とか「アフリカに比べて癌が多い」という話をしていたが、これはミスリード。医療の向上で脳卒中や心臓病死因が減少したから、というのが主要因では。

オーガナイザの濁川孝志教授が、周りのスピリチュアル大好き教授お友達ネットワークについて話し始め、エンジニアリングの観点よりスピリチュアル体験を重要視している様にみえたのが残念。木村さんはスピリチュアルな体験を色々しているものの、彼の成果自体は徹底した観察と実験に基づいていると思う。

*1:ヒラタアブ(扁虻)やショクガタマバエ(食蚜玉蝿)の幼虫?

*2:八徳は、南総里見八犬伝の犬が持っているドラゴンボールの文字。儒教の三綱(忠孝烈)と五常仁義礼智信)から、夫婦愛の「烈」をアレンジ。