ジャカランダの育て方 その1
毎年4月の中旬頃になると、理化学研究所の一般公開。今年も和光市へ。構内では今年も八重桜が咲いている。宇宙服を着た研究員からビラをもらう。
言語発達研究チーム
テーマ:「赤ちゃんの言語発達ってどうやって調べるの?」
研究室で行っている「選好振り向き法」などの実験内容を説明している。実験内容だけでは無く実験の成果ももっと知りたい所だ。この辺の研究に関しては、去年観たNHKスペシャル「赤ちゃん - 成長の不思議な道のり」が面白かった。
気になるマザリーズ(id:plank:20050423 参照)の研究成果は一体どうなったのか。質問すると、別室のVIPルームに通される。実際には、裏手の廊下にポスターが貼ってあった。おおざっぱにまとめると、
- 生後半年〜1年未満の子供を持つ父母と、親経験の無い男女で実験。
- 同じ単語を通常版とmotherese版で聞かせてテスト。脳活動をfMRIで観測。
- mothereseを母親に聞かせると、脳にある言語野の「ウェルニッケ野*1」「ブローカ野*2」「線条体*3」がビンビンに反応する。
- 親経験の無い女性はほとんど反応しない。反応する場所もちょっと違う。
- 男性は、親経験が無かろうが父親だろうがピクリとも反応しない。
母親にとってmothereseは感情表現以上の言語活動になっているという事なのだが、乳幼児にとってはどうなのか。こっ恥ずかしくても「パパでちゅよ〜♪」としゃべらないといけないのか。
- 赤ちゃんは、通常語よりmothereseの方に良く反応する。
- 同じmothereseでも、怒ったりとかネガティブな言葉には反応しない。
- mothereseで、なおかつ都合のいい言葉にしか反応しない。
mothereseで育てられているからなんじゃないか、という疑念が拭えないものの、残念ながらmothereseは、「こっ恥ずかしいだけで乳児に取って全く意味の無い単なる大人の勘違い」という訳でも無さそう。