がんばるじょ!

今日は仕事でお出かけしていて、晩飯には五反田チェゴヤ(최고야)が狙える圏内。食堂をウインドーショッピングしてると、チェゴヤの近くに新しい店が出来ている。表にはグルジアの国旗、グルジアワイン&ダイニングの店で、ガンバルジョ!(Gaumarjos!)。

晩飯時。チェゴヤは混んでいて、虎ノ門鈴傳に行こうかどうしようか迷いながら歩いていた所、店員が客引きしていて「よろしくお願いします」。ていうか今呑む。以前は「Stand Dining Bar T2」というお店で、この度新装プレオープン。まだ早い時間帯だったので、お店の偉い人がわざわざマンツーマンで接客してくれた。

2007年2月、日本にもやっとグルジア大使館が出来て、大使から「日本にはグルジア料理専門店が無くてあれなので作って」と話があったのでこの店を作った。チェゴヤの所有する建物を借りている。今お店で出しているのはお酒とつまみだけだが、正式オープンの5/9以降は、ディナーでグルジア人シェフによるグルジア料理が出てくる。ランチだけは既にグルジア化完了。

Saperavi

赤ワインSaperavi( საფერავი)*1。さっぱりした味だが爽やかな風味、しっかりした香り。サペラヴィグルジア固有のブドウ品種。1年物のワインもSaperaviと呼ばれ、2年寝かすとKindzmarauli、3年もののヴィンテージがMukuzani。グルジアでは、客をもてなす時にワインを水牛の角や牛の角に入れて出す。何せ角なので、テーブルに置くとワインがこぼれてしまう形状だから飲み干さないといけない、というのがミソ。

ワインの卸元、アワサワールドは空手用具とグルジアワインの商社。店のオーナーは何と古武道の現役世界チャンピオンだそうだ。彼の父親も同じ流派*2の格闘家で、グルジアの道場を訪問したら、独立後最初にグルジアに来た日本人になった。ワインを飲んで「こんな旨いワインがあるのか」と感動、それ以来グルジアと縁が。

Churchkhela

グルジアのおつまみ、Churchkhela(ჩურჩხელა)*3。茶色のもこもこした物体で、胡桃をいくつか糸に吊るしたものを、葡萄液の中に何回も浸して作るものらしい。干し芋みたいな味だが、食べているとジャムの様な濃厚な果実の風味が出てきて、控えめに味わい深い。高級和菓子として出されても違和感が無い。葡萄なのでワインの味を殺さないかと気になったが、これがまたワインに良く合う。

以前グルジアワインは陶器の瓶を使っていたので、船で輸送すると赤道を二回横切って味が劣化するという問題があったが、近年はヨーロッパのガラス瓶詰め技術で品質が向上。ちなみにグルジアは、去年11月の反政府デモ以来ロシアと関係が更に悪化していて、ロシアではグルジアワインの入手が困難になり、価格が現地の5倍くらいに高騰。

Gaumarjos

店名のGaumarjos(გაუმარჯოს)は、グルジア語で「乾杯」という意味。頑張るじょ!って感じでノリもいい。グルジアにはセミスイートというタイプのワインがあって、これにもGaumarjosという銘柄がある。葡萄が熟するまで待ってから仕込む赤ワイン。甘い赤ワインで軽くて飲みやすいが、ロゼともボジョレー・ヌーヴォーとも違った風味。ワインが飲めない、という女性にも人気。グルジア語の「こんにちは」も似ていて、Gamarjoba(გამარჯობათ)。

赤ワインNapareuli(ნაფარეული)、おつまみのタコスもいける。正規オープンしたらまた行こう。

画像:Churchkhela, Gaumarjos!, Gotanda, Shinagawa, Tokyo, Japan / Apr. 16 2008

*1:グルジア文字の入ったunicode fontが必要。グルジア語のすすめを参照

*2:沖縄唐手の少林寺流拳行館、世界硬式空手道

*3:チュルチヘラ、チュルチェヘーラ、Chuchella
http://www.1101.com/store/T/2008ss/food/georgia.html など参照