「レッドスネーク COME ON !」ショパン猪狩

D.A. Norman「誰のためのデザイン?」(新曜社)を翻訳した野島久雄さんが、随分前に紹介していた本。ずっと読みたかったのだが、amazonではいつも在庫切れだった。

「レッドスネーク COME ON !」(三一書房)1989/03/15発行

「レッドスネーク、カモーン」の蛇使い、ショパン猪狩の自伝。去年の11月、訃報のニュースを読み、はてなキーワードを編集してamazonを調べてみたらいつの間にか入荷していた。

この本で語られるのは、子供時代から東京コミックショウ結成まで。テンポの良い文章で、少年時代、戦時中のエピソードも活き活きとして読み応えがある。芸人になった兄、パン猪狩に誘われて旅回り劇団の地方巡業に加わるのが、ちょうど本の真ん中位。当時の劇団の代表的な出し物「どんぶり三杯」などの紹介も興味深いが、ドーランの代わりに歯磨き粉で化粧をするだとか、当時の世相がしのばれるエピソードも面白い。

その後、進駐軍キャンプ回り。兄妹3人でボクシングとレスリングを組み合わせたコメディ「パン・スポーツ・ショー」を始める。これが発展して、日本(アジア)で最初の女子プロレス興行が行われる。ルールはガーターベルトを取り合うという物。日本にレスリングを紹介する上で、「床に両肩が触れたらフォール負け」という通常のルールでは見た目に地味で盛り上がらないので、スピード感を出す為に試行錯誤してこういうルールになったらしい。とはいえ、客は水着姿の女性目当てである事には間違いは無く、ほぼキャットファイトと考えて良さそう。

結婚を経て、エノケン一座の鯉口潤一と組んで始めたのが「東京コミックショウ」。レパートリーの種類は色々あった様で、蛇のパペット芸は持ちネタの中のほんの一つだった様だ。

この続きは続編「グリーンスネーク COME ON !」で。