肉団子じゃなくて良かった

理化学研究所一般公開(オープンハウス)の続き。明治乳業のスポーツ飲料VAAMもここの研究成果。阿部岳先生に話を聞いた。

スズメバチを研究しようと思ったきっかけは?』
「誰も研究していなかったから。元々は毒針で刺した時に出る神経毒があるので、それを研究していた」
『あれって蟻酸じゃないんですか?』
「蟻酸と言われていたけど、実際は全然違っていた。スズメバチ独特の神経毒」
『知らなかった』
「研究していてもう散々刺されたんですよ。それで、蜂の生体も調べておこうと思う様になった」

スズメバチ成虫の消化管は極端に細くて食べ物は自分でとても消化出来ない。で、取った餌を肉団子にして幼虫に食べさせ、その代わりに幼虫から栄養液(VAAM*1を貰う。栄養液にはアミノ酸が多く含まれていて、配合比率は脂肪燃焼のTCA cycleに適している。成虫のお腹には、幼虫の頃に貯め込んだ脂肪が詰まっていて、それを燃焼させて活動する。人間が運動をすると、オキシロ酢酸が生成されてTCA cycleが回りだすまでに20分かかるが、VAAMを飲めばアラニンからすぐオキシロ酢酸が作られ、運動開始直後でも脂肪が燃焼する。

あれって運動前に飲むのか。

画像:A limuloid *2 and a clown fish, RIKEN, Wako-shi, Tokyo, Japan / Apr. 23 2005

*1:Vespa Amino Acid Mixture(スズメバチアミノ酸混合液)

*2:helmet crab, horseshoe crab, swordtail