一線を越える

理化学研究所のオープンハウスを見学。最も科学の素晴らしさを教えてくれた研究テーマは、

言語発達研究チームの展示「選好振り向き法」

月齢3.5〜12ヶ月の乳児の嗜好を調査している。赤ちゃんに2種類の音を聞かせて、どちらの音を好むのかを調べている。去年の秋に研究室が出来たばかりでまだ成果はでていないものの、21世紀を生きる我々にとって最も重要なmotherese(マザリーズ)の研究をスタートさせている。mothereseというのは大人が赤ちゃんに話しかける声。声のトーンを上げて「パパでちゅよ〜」とか、こっ恥ずかしい事を言いますよね。

激動の20世紀を生きてきてショックだったのは、以前友人が「パパでちゅよ〜」は恥ずかしすぎて有り得ない、といっていたのに、自分に子供が出来たら「パパでちゅよ〜」に変貌してしまった事だ。今後の研究によって、この問題に科学のメスが入れられる。我々はそもそも、一線を越える必要があるのだろうか?mothereseはそもそも恥ずかしいだけで、乳児に取って全く意味の無い単なる大人の勘違いなのではないだろうか?

世の中には色んな説があって、声のトーンを上げるのは先天的なもので、妊娠して出産したら生理的に声のトーンを上げて話す様になるという説もあるらしい。個人的には、後天的な単なる大人の勘違いと信じたい。

画像:The laboratory for Advanced Brain Signal Processing, RIKEN,
Wako-shi, Saitama, Japan / Apr. 23 2005