モンドヴィーノ

ワイン業界の内輪もめがメインで、ワインがちっとも旨そうに見えない。

「Mondovino」(2004 Goatworks、Les films de la Croisade / 2005 Cine Qua Non、Klockworks)Dir: Jonathan Nossiter

ネゴシアン(Negociant)系の人達

  • いつもつるんでいて仲良し
  • 身内をやたら褒める。話がつまらない。金持ち。
  • 新品のオーク樽(Barrique)に酸素をぶくぶく
    「ミクロ・オキシジェナシオン*1を使うのですよ」
    「酸素、もっと酸素を」
  • どこの産地でも誰が作っても同じ味がする。没個性。
  • ロバート・パーカーJr.が絶賛。アメリカ人が好む味。

ドメーヌ(Domaine)系の人達

  • 一匹狼
  • 話が面白いけど貧乏
  • ヴィンテージものばかりで値段が高そう

インタビューの合間に、飼い犬がやたら登場するが
「(葡萄畑の土を口に含んで)この石灰質のテロワール(terroir)が・・・」
「そこ、うちの犬が昨日うんちを・・・」
というシーンは無かった。

Wine SpectatorのJames Sucklingが飛び抜けて醜悪に見えるが、後はRobert Parker Jr.にしても「旧態依然のワイン業界にアメリカ的な視点を持ち込み風穴を開けた」どうもワインを飲む前に自分に酔いしれている様だが、まぁ良く頑張ったと思うよ、と誉めてあげたい。

ドメーヌの老夫婦が「20年物のワインの素晴らしさといったら・・・(うっとり)」と話す場面はなかなか想像力をかきたてられるものの、ワインを飲む場面はほとんど無い*2。最後のシーンで、アルゼンチンのTolombónでワイン造りをしているAntonio Cabezasを訪ねる。インディオの楽しいおじさん。真っ黒の犬の名前はルーサー・キング。「不毛な土地でろくな葡萄が作れない」と言っていたが、ここのワインだけは本当に旨そうだった。

用語はここを参考
http://www.cinemacafe.net/feature/mondovino/dictionary/index.phtml

*1:micro-oxygenation、またはミクロ・ビュラージュ:micro-bullage

*2:テイスティングの場面はたまに出てくるが