ハックル

ハンガリー人の人名は日本語と同じで苗字、名前の順*1なので
「Hukkle」(2002 Mokép Co / 2005 Image Forum)Dir: Pálfi György

監督の名前もGyörgyがfirst name。映画の舞台になったのはOzora*2という村で、映画の出演者も、3人のプロ俳優を除き全てOzora村の住人。映画は、村の人々の日常生活を淡々と記録している様でもあり、野生動物のドキュメンタリー映画の様でもあり、社会教育の啓蒙映画の様でもある。Csuklik(チェクリック)じいさんのしゃっくり、豚の散歩、年金の受け取り、食事の支度。ヘビ、モグラ、カエルの生態、植物の成長。養蜂場、洋裁工場の作業風景やコンバインの農作業。その日常の中で淡々と起こる連続殺人事件。

台詞は無く、最後の結婚式の場面で出てくるハンガリー民謡のみ字幕が出てくる。民謡を歌っているのは、Napraforgó*3というグループと思われる。ストーリーはある様で無い様で、結局ある。民謡の歌詞で種明かし。産婆さんが作る白い液体に注意。オリジナルの脚本と実際の映画は少し違う。本家サイトの英語の要約の方が分かり易い。

しゃっくりが止まると地震が起こったり、チェクリックじいさんのしゃっくりが主人公みたいな映画なのだが、おじいさんはしゃっくりの演技が下手で、全くしゃっくりに見えない。最後の最後に牛乳を飲む時だけしゃっくりっぽかった。他のディテールには凝りまくっているだけに非常に残念。この映画、予告編がとても面白いので必見。

*1:Muzsikásとの競演で有名なMárta Sebestyénしかり

*2:ハンガリー中西部Tolna県の人口1700人ほど(2001年)の村。毎年8月にOzora festivalというニューエイジ系のイベントをやっているっぽい。ヨガ、瞑想、ディジリドゥー、Goa系トランス、マリファナとか。99年8月のグランドクロス皆既日食の記事とか検索にかかる

*3:多分Ozoraのグループ。多分「ひまわり」という意味。