Mr.インクレディブル

土曜日に映画館の前を通りかかったら、後3分で始まる所だったので観る事にした。

「The Incredibles」(2004 PIXAR / Walt Disney Pictures)

エンディングのスタッフ・ロールが素晴らしい!このエンディングを観る為だけに本編を観てもいいくらいだ。スタッフのクレジットの横にイラストが出てくるのだが、ちょっとDeperoを思わせるグラフィック・デザイン調で、しびれる。クレジットの文字も、何故か分からないが立体的に浮き出て見える*1。書体もバランス良くデザインされているし、スタッフの担当カテゴリーを示すネオン調の文字にもうっとり。

ラロ・シフリンワナビー? テーマ曲は「スパイ大作戦(Misson Impossible)」ほとんどそのまんまで、時々「燃えよドラゴン」が混ざる。

敵のメカの巨大な威圧感は良く出ているし、飛行機が海の中をくぐって基地に入ったり、サンダーバードの様に滝が割れたりする辺りは、CGの表現力に驚くばかり。惜しいのは、スーパースーツの腰回りの造形が甘いところ。ボディペインティングしている感じ。ジャングルの中も感じが良く出ている。過去のニュース映像で、CGなのに傷の入った白黒フィルム調なのも笑える。

家族全員が超人だったりElasty Girlの体が伸びたりするのは、観る前は子供騙しだと思っていたが、ストーリー構成も脚色も良く練られていて、割と違和感が無い。ファミリー向け映画お決まりの激甘の家族愛も当然出てくるが、展開のテンポがいいので余り気にならない。最初のスパイ映画調も、かったるそうに保険会社で働いている場面も良く出来ている。面白かった。

気になった点。スーパーヒーローは人を殺せないとか散々言っておきながら、ラスボスを殺す時は何のためらいも無い。敵の境遇に対し主人公は全く無関心。女は殺さないけど、相手が男なら家族や友人の為に私的制裁も辞さない。それにも関わらず、ラスボスが死ぬ所は隠して見せない。

せめて北斗の拳みたいに「ひでぶ」「あべし」「アボジ」(ちょっと違う)とか言って欲しい所だ。

*1:ちらついて見えたので、字を少しずらしたものを一コマ置きに交互に出しているのかも