マッハ!!!!!!!!

「マッハ！　プレミアム・エディション」
（2003 Sahamongkolfilm / 2004 Klock Worx / geneon）

タイのノンプラドゥ村。ソムタム（ส้มตำ）を臼の中で突いて作る音が聞こえてくる様だ。主演のトニー・ジャーは田舎の青年ティン役が板につき過ぎ。拝み慣れていて、こんなに拝む姿がさまになるアクション・スターもいない。バンコクに出てきて同郷のハム・レイを見かけ、懐かしそうに馴れ馴れしくまとわりつく演技は迫真に迫る。少女ムエの見るからに幸薄い姉も板につき過ぎ。ヘロイン中毒死で手術室に横たわる演技はオスカーもの。

カンフー映画のムエタイ版。あ、首が変な方向に曲がった。ワイヤー、ＣＧを使わないと謳うだけあって、ファイト・シーンでこんなに痛そうな映画は初めて観た様な気がする。トニー・ジャーの身体能力は素晴らしく、体の曲げ伸ばしをうまく使った狭い空間でのバック転、スピンする体の切れに驚く。バンコクの市場を走って逃げ回るシーンは圧巻だが、特典映像の予告編でこの辺の主なシーンが何度も散々出てきた。本編を観る前に予告編を観るんじゃなかった。

カー・チェイスの代わりにトゥクトゥクでチェイス。新鮮。新鮮だが、誰か一人だけでもいいから、トゥクトゥクを追いかけるならトゥクトゥクじゃなくて車を使えばいいと気付く奴はいないのか。