テコンV DVD box

亞洲兄弟にて「今、お買い上げの方にはプレゼントがあるんですけど、この箱の中から何か一つ好きな物をどうぞ」『これってPCのゲームですかね?』「良く分からないけど、そうだと思います」帰って見てみると、「大蕃薯遊戲網戰II:決戰珍珠港」どうやら真珠湾を舞台にした台湾のネット対戦ボードゲームの様だ。勢いでついもらってしまったが、うちMACだしどうしよう。

『表に韓国のテコンVのポスターがありますけど』「ありますね」
『これってビデオかDVDか何か出てるんですか?』「出てますよ」『えっ?』
「ロボットテコンV」「スーパーテコンV」「'84テコンV」の3枚組DVD box set。

「로보트태권V」(2002 비트읜 (bitwin) / 전체관람가)

テコンドーで敵を倒す、韓国のロボットアニメ映画。このDVDにはリージョン制限が無いので、普通の日本向けプレイヤでも問題なく見える。でも韓国語音声のみで字幕なし。「キム博士」「どこ?」「ここ」「大丈夫」*1くらいしか聞き取れない。

「ロボットテコンV」は、他の2作に比べ画質がとにかく悲惨。フィルムの使える所はフィルムから起こし、状態の悪いシーンはVHSビデオから起こした映像を使っていると思われる。フィルムはもう傷だらけ。特に前半はカビと思われるシミがモクモク入っている。ビデオの状態もぼろぼろで、ショックを受けたちびまる子ちゃんの顔の影の様なノイズが輪郭という輪郭に全て載っている。時々、唐突にカットが挿入され脈絡も無く次のシーンに行くが、フィルムもビデオも再生不能だったんだろう。それにも関わらず、この第一作目が一番魅力的だ。

主人公フン、父キム博士の妙に濃い存在感。テコンドーの修行と試合風景が続き、いつロボットが出てくるのか不安になる緊張感。カープ博士が悪の道に染まっていく困ったエピソード。敵のアンドロイド・メリーの、ポニーテールにまで入っている骨格。最後の敵ロボットは、各地から連れ去られた格闘家が操られて操縦する、レスリング・ロボット、剣道ロボット、テコンX。安直なネーミング。テコンドーの世界大会決勝で主人公フンに敗れたリチャードが操縦するテコンX。大会での雪辱が果たせるか。何もこんな所で果たさなくても。道着を着たままロボットを操縦するの禁止。

「スーパー」の方は、全てのメカの造形にやる気がなかったり、何かとガンダムのパクリが見られ敵ロボットにアッガイそのまんまがいたり、そのあたりは何かと素晴らしいのだが、ビームとロケットパンチで敵を倒してしまいテコンドーが出てこないし、ストーリーにどろどろ鬱屈した『恨』(ハン:한)がいまひとつ足りなくてつまらない。「'84」の方は、造形も動作も人の表情も豊かになっていて安心して観られるが、その分普通のアニメになってしまっている様な。

特典映像に入っているキム・チョンギ(김청기)監督インタビューは韓国語で良く分からないので、こちらを参考にする事にしよう。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/3447/k-page09.htm

そういえば忘れていたけどテコンV DVD boxの記事は随分前に読んでいた事に気がついた。

*1:「김박사」「어딨어?」「여기예요」「괜찮아」