「マッシュ」監督:ロバート・アルトマン

「M*A*S*H」(1970 20th Century Fox / 2004)Dir: Robert Altman
Mobile Army Surgical Hospital(移動野戦外科病院)を略してMASHと呼ぶらしい。朝鮮戦争野戦病院を舞台にした、歌あり、手術あり、下ネタあり、戦闘シーンなしのコメディ映画。アメリカの大手映画会社で、タブーを破って初めてfxckという単語が登場した映画と言われている。サントラ盤が紹介されているのを見かけた記憶があり(レコード・コレクターズ誌1994年9月号)、DVDを見かけて気になったので買ってみた。

軍規は無視、上官は手玉に取り、言いたい放題やりたい放題なのだが、軍隊という設定で無ければ正常な感覚なのかもしれない。無駄口を叩きながらも患者の処置には黙々と励む。モラルの低下に激昂する上官は上官で、緊急手術中に視察に来たり不倫に燃えたりモラルが低下している。最高責任者が一番したたかで下とうまくやっている。手術シーンが妙にリアル。

シーンの繋ぎに時々構内放送が入る。RADIO TOKYOから流れる音楽は日本の戦後歌謡曲や日系歌手の歌う片言ポピュラーソング。これが素晴らしい。軽快なブギウギは暁テル子の『東京シュー・シャイン・ボーイ』と思われる。『Sayonara』は歌っているのが高美以子なのかナンシー梅木(梅木美代志)なのか目下調査中。海外旅行等で日本の「Sayonara」という映画や曲(映画のテーマソング)が好きだと言われた事があるが、今回おそらく初めて聴いた。

1970年カンヌ映画祭グランプリを受賞*1。R指定 for sexual content。映画が気に入ったので、サントラも買ってみたのだが台詞入りで曲は断片しか入っていなかった。記事を改めて読むと「ビデオが普及する前は、台詞入りのサントラは繰り返し聴けて重宝した」という紹介のされ方で音楽の事には触れていなかった。音楽担当:Johnny Mandel。

*1:この頃はPalme d'Orの別名がGrand Prixだった様だ。紛らわしい